今日の読書

クォン・デ―もう一人のラストエンペラー (角川文庫)

クォン・デ―もう一人のラストエンペラー (角川文庫)

今週、ベトナム旅行に行くのだけど、その前にと一日で読了。
フランスの植民地時代に日本に亡命したベトナム王朝の直系であるクォン・デの話なのだけど、
とにかく泣けた。悲しすぎる。
いつかは祖国に帰ることを夢見ていたクォン・デだが、
金銭的な面でも頼っていた犬養毅が死に大きな後ろだてを失ってしまう。
その後の彼の絶望を思うとやりきれないのだが、
本の最後には、クォン・デだけでなく作者である森達也や読者を裏切る結末が待っていて、
涙なくしては読めなかった。
クォン・デの無計画さなどを考えると自業自得と取ることもできるけど、
当時の日本によるアジアの扱いを考えると、
彼だけを責めることができない問題だと思う。