大人になれない人間の苦悩

鈴木いづみコレクション〈5〉 エッセイ集(1) いつだってティータイム

鈴木いづみコレクション〈5〉 エッセイ集(1) いつだってティータイム

小説を読んでから気になっていた鈴木いづみのエッセイを購入。
村上龍の「限りなく透明に近いブルー」に時代と環境が似ているからか、すんなりと読める。
まだ読了してないが、鈴木いづみがとても頭が良くて、
常に憂鬱を抱えている人間だということは分かった。
本人もこの本で書いている通り、真面目すぎるからこそ憂鬱を抱えているんだろう。
けれど、まるで高校生のようにすべてのことに向き合おうとする姿勢は、
真面目だなあというより、しんどそうだなという印象の方が強い。
人間は大人になると、色々なことに慣れたり諦めたりするけれど、
それが出来ない人だったのだろうと思う。
と、ここまで書いて自分にも当てはまるような気がしてきた。
頭が良いはさておき、向き合わなくてもいいことにまで向き合って、
結局は何も生み出せず憂鬱だけが残るなんて、思い当たるふしがありすぎる。
憂鬱を抱えたまま生きたくなかったら、もう少し大人にならなければ。